「解き放たれる時」  04.11.28
               ルカ21:5〜28

 2004年のアドベントを迎えました。アドベントには、「到来」と
いう意味があります。神の独り子であるイエスさまが、人の世に
到来された。そのクリスマスの喜びを思い巡らす季節でもあります。

 イエスさまの到来は、すでに起こったクリスマスだけでなく、
終末にも起こると聖書は告げます。終末には、イエスさまが
再臨(第二の到来)をされるのです。それは、イエスさまにお会い
できるのですから楽しみの時です。しかし、イエスさまは、その時が
来るまで、世は大変混乱するとおっしゃいます。偽メシアに迷わされ、
信仰ゆえに迫害され、裏切られ、憎まれる。そのように、人から
苦しめられることがおこるとおっしゃいます。戦争、暴動といった
人間社会の起こす問題だけでなく、災害、食糧問題、病気、天体の
乱れといった自然現象に悩むともおっしゃいます。何も出来ず、不安の
中で怯えるしかないようなことが起こる。しかし、「身を起こして、頭を
あげなさい。解放の時が近いから。」とイエスさまは、おっしゃいます。

 イエスさまが終末の出来事をお話になったきっかけは、神殿の
立派さのことを話している者がいたからです。イエスさまは、
それ神殿は永遠のものではないとおっしゃいました。そして続けて、
人を不安にし、悩ませる事柄も永遠ではないことをおっしゃるのです。

 イエスさまがおっしゃった混乱の数々は、再臨の直前だけでなく、
いつの時代にでも起こっていることです。
 しかし、いずれも決して永遠のことではありません。
 イエスさまが再臨される時には、終わることばかりです。
 その時には、それらから解き放たれるのです。

 「あなた方の頭を押さえつけるような様々な事柄は、
決して永遠のことではない。  だから、身を起こして
頭を上げていたらよい。 わたしが解き放つ時が来るのだから。」
 それが、私たちを救いのために、神の身分を捨て、人の世に
お生まれになり、十字架にかかってくださったイエスさまの
語ってくださることです。
 わたしたちは、この言葉によって身を起こします。